1-2 身分の高い者も低い者も、金持ちも貧乏人も、世界中のだれもかれも、私のことばに耳を傾けてください。
3 この口から出ることばは、心の底まで見通して、知恵に満ちているのです。
4 竪琴の伴奏に合わせ、奥深い人生の問題に答えて歌いましょう。
5 悩みが訪れ、敵にぐるりを囲まれようと、少しもこわがることはありません。
6 彼らの信じるものは金だけで、その誇りは財産だけなのです。
7 しかし、王に負けないくらい裕福な彼らも、兄弟の罪を帳消しにしてやることはできません。 罪の赦しは金では買えないのです。
8-9 たましいは余りにも高価なので、この世の富をいくら積んでも買い戻せません。 世界中の金をかき集めても、ただ一人分の永遠のいのちも買ってやれません。 もちろん、地獄から救い出してやることもできないのです。
10 あなたがた金持ちも、傲慢な者も、賢い者も、結局、同じように死ぬ運命にあります。 ばかで、まぬけな連中より長生きできるわけではありません。 しかも、一銭だって持って死ねはしないのです。
11 あなたがたは、まるで永久にその土地に住めるかのように、自分の名をつけています。
12 しかし、どんなに羽振りのいい人間でも、死ぬのは犬や猫とそう変わりません。
13 全く、あほらしい存在です。 それなのに、そういう人々は死後も、非常に賢い人物として引き合いに出されたりもするというわけです。
14 死が全人類を飼い慣らしています。 別世界に目覚めたその朝、邪悪な者たちは正しい人々の奴隷となるのです。 死と同時に、金にものを言わせることは不可能になります。 なにしろ、金を持って行くことはできないのですから。
15 しかし、私は別です。 神様はこのたましいを死の力から買い戻してくださいます。 私を迎え入れてくださるからです。
16 ですから、悪者の金回りがよかろうと、りっぱな邸宅を構えていようと、目をむくことはありません。
17 死ぬ時には、名誉はおろか、何一つ持って行けないのですから。
18 生きている間中しあわせ者だと自分でも思い、世間からも出世頭だと拍手を送られるような人でも、
19 やがては皆と同じように死に絶え、永遠のやみに沈んでいくのです。
20 どんなに華やかな生涯を送ろうと、人は犬や猫とそう変わりなく死ぬことになっています。